ドイツのホテルで働く経験 ①お客さんとの会話編

こんにちは、かおるです。
ワーキングホリデーに来てなるべく現地でドイツ語を使ってお仕事をしたいなと思って仕事を探し、運よくホテルのサービススタッフとしての経験を積むことができました。
今年の5月〜8月末までの4週間ドイツのホテルで働かせていただきました。
その時の体験をシェアしたいと思います。

初日に出会った気前のいいゲスト達。

勤務初日はいきなりリッチなパーティー会場でのサービスを経験させていただきました。
研修も特になく、いきなり実践にぶち込まれがちなのでもしドイツの職場で働く方は最初ちょい大変かもしれません。
仕事の要領も、仕事のドイツ語もあやふやな状態なのでとにかく必死にやっていました。メニュー運んだり、ワイン注いだり。
でも、初日は大変さよりむしろ新鮮さが楽しくてすごい自然な笑顔で働いていたっぽいです。笑
そんな感じで笑ってやっていると、リッチなゲストの方々からすごい話しかけられて、「どこから来たの〜?」とか「日本語でProstってなんていうの〜?」とか色々会話できました。
少しお皿の順番をミスったりしても”Alles Gut” (大丈夫だよ)と言ってくれるし、なんか最後には個人的にチップを渡しに来てくれました。
なんていいお客さんだろう、ほんとありがたい。

ありふれた言葉ですが「笑顔超大事だな」としみじみ思いました。
でもただ笑えばいいわけでもなくて、自分が自然に心から笑える瞬間をたくさん作るためには、「行動と工夫と心がけ」が大切だと考えています。
ただ、初日にこんないいお客さんに巡り会えた自分は単純に運が良いと思います。

スペイン語しか話せないゲスト。

基本的にホテルではドイツ語か英語を使って接客をしているのですが、たまに例外的なこともあります。
ある日、朝食サービスで働いているとめっちゃスペイン語で話しかけられました。 ”hablas español?” (スペイン語話せますか?)だけはなんとか聞き取れました。
スペイン語若干わかるけど、仕事の対応ができるレベルじゃないわ」と思って、とっさに ”No Disculpe” (いいえ、すみません)と返しました。
自分では無意識だったのですが、そう言った後にちょっとその人の顔がゆるんでいました。(それはわかるんかい)って思ったかもしれませんね笑
最終的にはコロンビアに住んでたことのあるナイジェリア人の同僚に助けてもらい、「グルテンフリーのメニューはあるか」という質問だったことがわかりました。

ただ、その時「スペイン語もっと話せるようになりたいな」って思いました。
別に仕事で使うからとかじゃなくて、むしろ業務的なことを超えたFeelingを共有できるよなって思っています。英語、ドイツ語に限らず、もっといろんな言葉で話したいし理解したい。

赤ちゃんとお母さんのゲスト。

ある朝、ホテルで働いていると、朝食をとりに赤ちゃん連れのお母さんが来ました。赤ちゃんはまだベビーカーに乗って、哺乳瓶からミルクを飲んでいる年頃です。
そしてもう一人5歳くらいの子供がいて、そんな3人を見て「お母さんめっちゃパワフル!!」って思いました。

あるスタッフがすぐさま子供イスを持っていき、僕も見習ってお母さんに「Soll ich etwas helfen?」と聞き、哺乳瓶に子ども用のミルクを入れて持っていきました。
お母さんが食べ物を取りに行くときは別のスタッフが赤ちゃんをあやしていて、いつもは割とぶっきらぼうなのにめっちゃ扱いがうまい。ギャップを感じました。
赤ちゃんと接しているときは、いつもはいかつい顔したホテルのマネージャーも、人が変わったようにゆるゆるの表情になります。
他のお客さんも赤ちゃんを優しい眼差しで見守っていて、みんなで少しずつ子育てしてる感覚になりました。
朝の職場の空気はすごく穏やかになり、僕自身も働いていてすごく気持ちが良かったです。
スタッフが赤ちゃんを気遣っていたということもありますが、逆にこの赤ちゃんがいてくれたから僕たちも働いていてすがすがしい気持ちになりました。
「赤ちゃんやお母さんに優しい環境は、働き手にとっても優しい場所なんだ」と思いました。

この経験は、自分の中に強い実感として残っていて、イベント運営やダンスのレッスンをやるときに
「新しく来た人に優しい場づくり」を意識するきっかけになりました。



今は新しい仕事をしているので、ホテルにて働いたのは4ヶ月の経験でしたが、とても大切なことを学んでいる気がしています。
振り返って言葉にすることで自分の蓄積にすると同時に、読んでくれる人にもなんらかのインスピレーションになればと思っております。

ではでは!

どこの国の人でも、変わらないものはあるんだな

こんにちは、かおるです。
前回は、言葉によって考え方や感覚が変わるという「違い」の話をしましたが、今回は共通点の話をします。
今回ドイツで働いたり踊ったり生活したり、様々な経験を通して感じている事があります。
「人間ってどこの環境で育っても心の動きは同じなんだ」

やったことない事は誰だって怖い

ダンスをやっていると、「初めて人前で舞台に立って踊る時」「初めてフリースタイル(即興)で踊る時」「自分より明らかに上手な人と一緒に踊る時」みたいな瞬間が訪れます。僕はどれも心臓バクバクでした。でも、これはどこの国のダンサーでもそうみたいですね。だから、誰かのそんな瞬間に立ち会えたらみんな共感して盛大な拍手を送ります。
これは例えの一つだけど、人間みんな新しいチャレンジするときは勇気を振り絞ってるんだってすごく実感します。

安定を取るか、好きなことを貫くか。

「私の親の価値観は『安定』が第一優先で、私がやりたい事を止めてくるのがほんと嫌」
あ、これホテルで働いてる時にたまたま若いお客さんが話していた事です。子供が親に対して思う愚痴みたいな感じでしたね。
ドイツ語だったし、多分ドイツ人なんだけど、なんかどこにでもありそうなデジャブ感のある会話でした。
子供が食いっぱぐれないように心配する親と、自分がやりたい事を好きにやりたい子供の心。これも人間皆同じですね。
特に、資本主義社会の仕組みの中で生きてると、お金の事ってどこにいたって向き合わなくてはいけない。
異国の地にいても、こういう話を聴くと自分の親の気持ちも想像させられます。

誰だって、気遣ってくれたら嬉しい。

ホテルで働いてた時、研修とかなしでいきなり現場にぶち込まれ、ましてや言葉も完璧じゃないし、ぶっちゃけ最初かなりしんどかったんですが、なるべく困った時周りに助けてもらえるように周りを気遣うように心がけてました。生き延びるために。笑
例えばグラス割っちゃった人の片付けを手伝ったり、上司の手が空くように仕事を変わったりしたら喜ばれるし、Danke!って感謝もされるんですよね。
逆に、スペイン語しか話せないお客さんの対応に困ってたらコロンビア育ちの同僚が助けてくれたりもしました。
でもそうやってサポートし合えた人にはまた助けを求めやすいし、前より距離が近くなって話しやすい。



「同じだなあ」って思った経験僕にもまだまだあるし、読んでくれるみんなにも多分あると思います。
この記事全てにおいて、当たり前のことしか言ってないんですが、今回のドイツはそんな当たり前のことを再認識するような機会になってます。