ドイツでの就職活動。仕事探しはどうやるの?

Hallo、今月からドイツでも仕事をし始めたKaoruです。
ワーキングホリデーに行く人は「海外に行くからには日本食レストランではなく、現地の仕事をしたい」と思うのではないでしょうか。
オーストラリアやカナダなどの英語圏ならWeb上に情報もあるのでしょうが、ドイツはニッチすぎてあまり情報がありませんでした。
というわけで、僕のドイツでの仕事の探し方を記事にまとめてみました。参考になれば嬉しいです。

0, 情報の整理

本格的に仕事を探し始める前にまず、自分は何のために仕事をして、何の仕事がしたくて、何ができるのか、整理しました。

①何のため

第一に、「最低限の生活費を稼ぐ必要」がありました。
ベルリンでは月に€800くらいあれば生活できるので、週25時間程度のパートタイムができれば賄えます。

「ドイツ語を使っている職場で働きたい」というのも条件の1つでした。
ドイツ社会のことをもっと肌で感じて知りたい。
自分のドイツ語を実践で伸ばしていきたい。
ドイツ人との職業的な人脈を構築したい。
そう考えたときに、日本語を使う職場よりは、ドイツ語を主に使う現地の仕事で働きたいと思いました。

②何の仕事がしたい

雇用される仕事以外の時間は、フリーランス的な仕事や自分のやりたい事に当てたかったので、フルタイムではなくパートタイムで働こうと思いました。
その中でも一番はゲストハウスの仕事がしたかったです。(ドイツでは「ホステル」という呼びかたの方が一般的です。)
僕は日本でもゲストハウスで働いていた経験があるので、仕事覚えるのが楽だし、その経験を活かしたいと思っていました。
それに、ドイツ以外の国からくる旅行客と話せるのは楽しいしいいチャンスだなと思いました。
ただ、求人はそんなに多くはなかったので、次善手として、現地のレストラン・カフェでも良いと思っていました。

③何ができる

ざっとアピールポイントになりそうなポイントを整理してみました。
・ドイツ語(B2レベル。日常会話可能)
・英語(C1レベル。)
・法人営業の経験
・ホステルでの経験
・飲食店での経験
・オープンな性格
・チームで働くことができる

1, 求人の検索

次にドイツでの求人の探し方です。
まず、日本でいうマイナビのようなWebの求人サイトで探す方法があります。
Indeed
・Ebaykleinanzeigen
は使いやすいWebサイトでした。

フルタイムを探すなら、
・XING(ドイツ版LinkedIn)
・trovit
・KIMETA.de
・Monster.de
などの求人サイトもあります。

ある程度職種が絞れているならば
「職種」+「地名」+「求人」で検索するのもありです。
例) "Hostel Berlin Jobangebot", "Kellner Hamburg Jobangebot"

あと、飛び込みで「今スタッフ探してませんか〜?」って聞いて見るのもありだし、人脈をたどって人の紹介で入るのもありです。
今ならInstagramFacebookなどのSNSも使いようによってはいいかもしれませんね。
ただ、飛び込みで履歴書を持って「今スタッフ探してませんか〜?」は10件くらい聞きましたが、効率が悪く労力に見合わない感じがします。

最終的に僕はIndeedで見つけました。

2, 書類作成

自分の条件に合いそうな求人を見つけたら書類を作成してアプライしましょう。
書類作成は難しいです。ドイツ語もですが、日本とは勝手がちがうので形式を理解することが容易ではありませんでした。
実はこれ、人に力を借りながら助けてもらいました。運良くキャリアカウンセラーをやっている人と繋がれたので、書類の添削をしてもらったり、書き方のコツを教えていただきました。

①Lebenslauf(履歴書)

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こちらはドイツの履歴書です。
日本と違う点を3点ご説明します。

・フォーマットは自分で用意
Lebenslaufのフォーマットは自分で用意します。
1から作るのが大変な人は、”Muster”というデザインの型を使わせてもらって作れば良いと思います。
僕はネットに上がっているWord FileのMusterをアレンジして作りました。

XINGのサービス”Lebenslauf.com”は情報を入力するだけで簡単にできるので、初めての方にオススメです。
https://lebenslauf.com


・写真が笑顔
これは一番の違いかもしれません。
日本では就活の証明写真は真面目な表情を使いますが、ドイツでは「それはシリアスすぎる。もっと笑って!」と言われます。
実際、「これ、オーバーすぎないか?」と思うくらいの笑顔が好評でした。
よくこの写真に関しては「プロのカメラマンに撮ってもらったほうがいい」という意見もあります。
それはお金と時間があるならそのほうがいいのですが、僕はスマホで撮りました。最近のスマホの性能なら行けると思います。

・書く順番
以下の項目を書く順番は日本の履歴書とやや異なるかと思います。

個人の情報(名前・住所・電話番号・メールアドレス)
職業の経験(上から新しい順に書く)
学業の経験(上から新しい順に書く)
個人の能力やスキル
の順番で書いていきます。

②Motivationsschreiben(志望動機)

志望動機というよりは、英語で言うCover Letterにより近いです。
各企業ごとに書くので、これが結構手間がかかります。
でも、フォーマットは決まっているので、まず1枚作ってしまって、あとは求人ごとに微調整していけばいいと思います。
はじめの1枚を出す前に、ネイティブの知り合いにはドイツ語をチェックしてもらったほうがいいでしょう。

③Zeugnis(前職での評価)

これは僕は使いませんでしたが、ドイツの大き目の企業にフルタイムで入るならば揃えておいた方が良いでしょう。
とはいえ、日本では退職するときに本人の仕事の評価を証明する書類なんて発行しませんよね。
僕はやっていないので何ともいえませんが、やるとしたらZeugnisのドイツ語版とその日本語訳を用意して、前の企業の人事担当者にお願いするでしょうか。
あとは確認してサインかハンコを押すだけの状態にしてお願いするのが最善の方法かと思います。

以下のリンクから、Zeugnisの例に飛べます。参考にしてみてください。
https://www.jobware.de/Ratgeber/Muster-Arbeitszeugnisse.html

3, 面接

書類を見てもらって、興味を持ってもらえれば面接に招いてもらえます。
僕は全部で5回面接をしました。対面も電話もあります。
やー、これは毎回緊張しましたね。

印象的だったのは先に企業側から仕事内容や勤務条件の説明があり、それに同意してから次のステップへ行くということです。
ある面接で、僕がイメージしていた勤務条件と違くて、「それはイメージと違いました」と伝えたら開始3分で電話面接が終わったこともあります。
でもこれくらいサバサバしている方がお互い不幸にならずに済むなーと思います。
どちらか一方が情報を隠したり、雇用される側が我慢をしていてもお互い不幸になるだけの気がします。

気になるのはドイツ語のレベルに関してですが、これはまあ本当に仕事内容によりますね。
ベルリンでのカフェなら店員さんでも、英語しか話せない人はたまにいます。
でも、現地の仕事をするからには、最低限のコミュニケーションは取れた方が仕事をする上でもストレスがなくていいと思います。

面接の雰囲気はもちろん企業にによって違うのですが、僕が受かったところはいたってフランクで、面接というよりはコーヒーを飲みながら普通の会話をしているような雰囲気でした。ちなみに、僕が受かったのはホテルやパーティー会場のケータリングサービスをしている会社です。

4, 終わりに

仕事探し自体は本格的に動き出してから3週間くらいで見つかりました。何個か選考には落ちましたが、日本の就活で鍛えられたのか、淡々と書類を送って面接を受けるのを繰り返してました。
不採用だった時に「これからの人生が上手くいきますように願ってます」という、いわゆるお祈りメールをいただいた事もあり、「ドイツでもお祈りメールあるんだ笑」って思いました。

個人的に大事だと思うのは動き出す前の「0, 情報を整理する」ステップです。ここは結構考えました。
もし仕事が決まったとしても自分の望んでいるものと違う仕事についてしまっては、働き始めてから苦しいですものね。
今回、「自分が何をしたいのか」を自分と向き合ってしっかり考える時間があったのでよかったと思いました。
今は自分で決めた条件に合う仕事が見つかったので、このチャンスを活かして自分のやりたい事を追求するべく頑張ります。

もしドイツで仕事を探される方は、ドイツで働くことだけを目的にせず、その先の自分が求めるライフスタイルや働き方など、目的達成の手段として良いお仕事が見つかることを願っています。